第3章 · レッスン 11 / 17

読む現場の言葉を身につける

Pull Request を読み解く

Conversation / Files / Checks を少しずつ使いこなす

  • 目安 14 分
  • 進捗 11/17

このレッスンのゴール

  • PR 画面の主要タブの役割を説明できる
  • レビューコメントを使って修正ループを回せる
  • Checks(自動確認)の意味を過剰でも過小でもなく捉える
チェックが赤いときCI が赤いときの3択一時的なら再実行、原因不明なら調査だけ、直してほしければ Fix with Agent か @cursor。
CI が赤いときの3択図。一時的なら PR 画面から再実行、原因不明なら新しい Agent に調査だけ、直してほしければ Fix with Agent か @cursor。迷ったら調査から。
図の内容をテキストで読む

① · 再実行

  1. 1ネットワークやタイミングの一時失敗っぽいとき。PR 画面の Checks / Actions から再実行

② · 調査だけ(迷ったらここ)

  1. 2原因がまだ分からないとき。新しい Agent に『まだ直さない』と頼む。外出先のスマホでも同じ入口

③ · 修正依頼

  1. 3直してほしいと分かっているとき。Fix with Agent か PR に `@cursor CI を直して`

Deployments タブがあればプレビュー状態も確認しましょう。behind 表示なら先に Update branch。調査と修正を同時に頼むと、いきなり大きな変更になることがあります。

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第3章のレッスン一覧11 / 17
  1. 09リポジトリ:プロジェクトの入れ物10分
  2. 10ブランチとコミット:安全に試す技術12分
  3. 11Pull Request を読み解く14分
  4. 12品質の見分け方12分

見る場所を固定する

GitHub の PR には、だいたい次があります。全部を一度に理解しなくて大丈夫です。役割だけ先に固定します。

  • Conversation: 議論、要約、自動コメント
  • Commits: 保存ポイントの並び
  • Files changed: 実際の差分(最重要)
  • Checks / Actions: テストやビルドなどの自動確認
  • Deployments(あれば): プレビューや本番反映の状態。スマホの PR レビュー画面にも表示されます

Files changed の読み方

緑色は追加、赤色は削除、という見た目が多いです。文章や設定なら、そのままでも読めます。プログラムでも、『ファイル名』と『変更の量』だけでも異常検知はできます。

『このファイルを変えた理由を説明して』と Agent や作者に聞くのは、正規のレビュー行為です。

Checks が落ちたら

Checks は自動の門番です。赤だからといって、あなたが悪いとは限りません。環境の問題や、もともと脆いテストの場合もあります。

取りうる行動は、『ログを Agent に読ませて修正させる』『詳しい人に共有する』『本番影響のない実験なら一旦止める』です。赤のまま強引にマージできる設定でも、慣れるまでは控えてください。

  • Agent 作成 PR(Teams): 自動で直しにいくことがあります。止まっていたら `@cursor CI を直して`
  • スマホ: 失敗した Check から『Fix with Agent』
  • 自分や同僚の PR: `@cursor この CI を直して`(誰の変更かを確認してから)
  • 一時的な失敗でコード修正が不要なとき: GitHub の PR 画面から Checks / Actions を再実行(Cursor GitHub アプリは PR から CI 再実行を扱う権限も持ちます)
  • 調査だけ先に: アプリや Web から新しい Agent を起動し、『PR #123 の失敗 CI を調査。まだ直さない』と頼む(公式の入門例。Fix with Agent とは別の入口)

どの Check が何を見ているか

Checks の名前だけでは、何を保証しているか分かりにくいことがあります。型チェック、テスト、プレビューデプロイ、セキュリティ検査など、チームごとに意味が違います。

GitHub では Bugbot の実行が `Cursor Bugbot` という Check になります(Bitbucket は `cursor-bugbot`、Azure DevOps は `cursor-bugbot/review`)。指摘があるときの既定の結論は失敗ではなく中立(neutral)です。ブランチ保護でこの Check を必須にしても、『Bugbot が走ったこと』は保証しますが、指摘そのものではマージを止めません。未解決の指摘を失敗扱いにする設定は、組織によっては別です(公式 Bugbot)。

Bugbot Autofix がオンだと、`Cursor Bugbot Autofix` という別の Check も出ることがあります。こちらは CI が赤のときの `@cursor autofix` とは別です。

Deployments タブがあれば、プレビュー URL や反映状態もここで確認できます。分からなければ、『この赤い Check は何を見ていますか?』と詳しい人に聞くのも立派なレビューです。

マージボタンの選択肢

GitHub では、Checks が通ったあとに Merge の横で Squash and merge などが選べることがあります。Squash は、Agent が何度も保存ポイント(コミット)を付けても、本線へ入るときは1つにまとめる方式です。

チームごとに『Squash 必須』『Merge commit 禁止』などのルールがあることが多いです。分からなければ、マージ前に詳しい人へ確認するか、review-and-merge レッスンの Squash 節を見返してください。

Merge がグレー表示のときは、Checks の色より先に review-and-merge 冒頭のマージブロック図(6原因)を確認してください。behind・コンフリクト・承認・保護・権限のどれかで止まっていることが多いです。

『マージできるまで Agent に任せたい』ときは、GitHub の auto-merge(自動反映)・Agent の Subscriptions(イベント待ち再開)・`@cursor autofix`(CI 自動修正)の3道具の使い分けと、review-and-merge のマージまで任せるレシピ節で組み合わせ方を整理しています。

本線より遅れている(behind)とき

PR を開いているあいだに本線(main)へ別の変更が入ると、『This branch is behind』『本線より遅れています』のような表示が出ることがあります。あなたの変更が悪いわけではなく、取り込み順の問題です。

GitHub の PR 画面や Cursor for iOS のレビュー画面では、Update branch(ブランチ更新)で本線の最新を取り込めます。取り込み後に Checks が再実行されることもあるので、赤が出たら上の3択図どおりに進めてください。

コンフリクト(同じ箇所を両方が触っている)と表示されたら、自分で直すより Agent に『main の最新を取り込んでコンフリクトを解消して』と頼む方が安全なことが多いです。

下書き(Draft)の PR は Ready for review(Ready 化)が必要なことが多く、スマホアプリからも Ready 化・公開(Publish)・Close ができます。Automations の Draft / Ready トリガーと混同しないよう、人が見るタイミングと自動化のタイミングを分けて考えましょう。

理解チェック

  • PR で最初に Files changed を見る理由を言える
  • Checks 失敗時の行動を2つ以上挙げられる
  • CI 修正を `@cursor` や Fix with Agent に頼めると説明できる
  • CI が赤いとき、再実行・調査だけ・修正依頼の3択を選べる
  • Deployments タブでプレビューや反映状態を確認できると知っている
  • Cursor Bugbot の Check は指摘があっても既定では中立だと知っている
  • Squash merge が履歴を1つにまとめる反映方式だと説明できる
  • behind 表示のとき Update branch で本線を取り込めると知っている
  • コンフリクト表示のとき Agent に解消を依頼できると知っている
  • Update branch 後に Checks が再実行されて赤くなることがあると知っている
  • auto-merge / Subscriptions / autofix の3道具とマージまで任せるレシピが review-and-merge にあると知っている

開いただけでは「済」になりません。チェックできたら押してください。

実践

PR を1つ選び、Conversation で要約、Files changed で意図せぬ変更、behind 表示なら Update branch、コンフリクトなら Agent に解消依頼、Checks で赤があれば『再実行 / 調査だけ / 修正依頼』のどれかを決めてから動く、Deployments があればプレビュー状態もメモ、マージまで任せたいなら review-and-merge のレシピ節も読む、の順に試してみましょう。

このレッスンで出てくる用語

全部覚える必要はありません。気になる言葉だけ開いてみてください。

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いま身についている開発者スキル

PR レビュー実務 / CI の読み方